最近、花粉-食物アレルギー症候群の患者さんが急増しています。
これは、花粉症を起こすことで、食物アレルギーを発症してしまうタイプの病気を指します。
例えば、多くの国民を悩ますスギ花粉症。スギ花粉と似た構造を持つトマトを食べると、スギ花粉が攻めてきたと勘違いしてアレルギー症状を起こしたりします。
スギ花粉症の患者さんは多いですが、似た構造を持つのはトマトだけなので、ある意味助かっているのかもしれません。ハンノキ、シラカンバ花粉症になると、悲惨です。美味しいフルーツがことごとく食べられなくなってくることもあるからです。
昨年、当院独自のアレルギー啓発イベントである「すこやか健康フェア」でお招きした千貫先生からお聞きしたのですが、サーモフィッシャーという会社のホームページに花粉症と食物アレルギーの関連がキチンと整理されています。
http://www.phadia.com/PageFiles/26689/PFAS2016.pdf
みると、スギ花粉症のトマトが目立ちますが、下に目をやると、リンゴ、モモ、イチゴ、メロン、スイカなどのフルーツが並んでいます。
そんな中、今日のタイトルのように野菜も見受けられます。キュウリ、ゴボウ、ヤマイモ、ニンジン、セロリ、ジャガイモ、ダイズ、タマネギ、コメ、レタス、あと香辛料が記載されています。
ここには記載がないのですが、レンコンを食べると喉と耳の中が痒くなるという患者さんが受診されました。アレルギーに関心のない医者からは「違うだろう」なんて言われそうですが、プリックテストという皮膚テストをやってみると、大きく腫れて陽性と判定されました。
レンコンがアレルギーを引き起こすことは、ネットで調べてみると、ほとんど記載はないようです。かえって、レンコンの成分がアレルギーに効く可能性があるという情報の方が目立ちます。
スパイスでアナフィラキシーを起こす患者さんも経験がありますし、“常識”に囚われていては、アレルギーを見逃してしまうこともあるようです。
こんな感じで、患者さんからはいつも勉強させていただいています。