小児科 すこやかアレルギークリニック

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タコ クラス6
2020年01月08日 更新

先日、某市から患者さんが来られました。

総合病院の医師から食物アレルギーであれもこれも除去を指示されており、どうしたらいいのかと困り果てての受診でした。

たまにいらっしゃいますが、甲殻類、軟体類が高いケースでした。ただし、珍しいのはどれもクラス5、6とかなり高値を示していました。

こういう場合は、医師は口を揃えて「除去しなさい」ということでしょう。私はその手には乗りません!(笑)。

実は、プリックテストという皮膚テストも行っています。皮膚テストも重症ほど大きく腫れると言われており、エビ、カニ、イカ、タコなどともに大きく腫れています。

その中でも腫れ具合の一番小さいものがタコだったので、それから負荷試験をやりましょうということにしていました。そうはいっても、シッカリと陽性でした。

言い方は変ですが、敗戦ムード濃厚の中、タコの負荷試験を行うことにしました。やってみなければ始まらないのが、食物アレルギーの診療だからです。

結果を示しますが、何と規定量をキッチリ食べられることが分かりました。

甲殻類、軟体類はアレルギー採血の数値が高くても、食べられることも結構あり、逆に検査が陰性であっても症状が出ることすらあります。検査の精度が問題になりやすいとさえ言われます。

甲殻類、軟体類は大人にもみられる、治りづらい食材と捉えられており、多くの医師が負荷試験さえしようとしていないように思います。

でも、繰り返しになりますが、やってみなければ分からないのが負荷試験です。親御さんも、本人も今回の結果にホッとされたと思いますし、「よーし、次も!」と思ってもらえたと考えています。

そう考えると、アレルギー採血クラス6も、皮膚テスト陽性も、負荷試験に先立って行われることが多いですが、負荷試験をしないことの“言い訳”になっている可能性があると思います。

多くの患者さんに言いたいのは、アレルギー採血が高かろうが、皮膚テストが大きく腫れようが、やはり最終判断は負荷試験で、これは譲れないということです。

先ほども述べたように、医師はアレルギー採血が高い、皮膚テストが腫れたと“言い訳”を並べますが、負荷試験をやるしかないことがお分かりいただけたと思います。特に今回のようなタコなどの食材は、卵や乳と違い、一生除去していかなければならないと思われやすい食べ物です。

事前の検査はさておき、何はともあれ負荷試験だと考えていただきたいと思います。負荷試験をやって少しでも食べられることが分かれば、その量を食べさせていき、完全除去にしないのが最大のポイントだろうと考えています。