これは学会も言っていることですが、生後6ヶ月から卵を少量食べさせていこうということになっています。
少量とは、0.2g程度とされています。先日の勉強会では、0.2gを食べさせたら、強いアレルギー症状を起こしたというものでした。
確かに「学会に言われた通りにやったのに」ということでしょうが、既に卵白がクラス4だか5だかに上がっていました。結果的にですが、少し慎重さに欠けていたかもしれません。
当院でのデータも物語っているように、0歳児で問題になるのが圧倒的に卵アレルギーです。かなり数を減らして乳、小麦と続きます。やはり、卵アレルギーの攻略が問題になるようです。
だいぶ昔は卵黄の負荷試験って大して意味がないのではないかと考えていましたが、今は考えが変わってきました。
いつも書いているように、アトピー性皮膚炎の湿疹から卵が入り、卵の感作を受けます。卵アレルギーの準備ができる訳ですが、多くの小児科医、皮膚科医が軽いアトピーは“乳児湿疹”と診断しています。要するに、卵アレルギーの準備がなされていても、気づいていない訳です。それもかなりの数に上ると考えています。
となると、親御さんが自宅で卵アレルギーを発症してもおかしくないのですが、卵黄から少しずつ与えているうちに、卵に慣れていき、多くが卵アレルギーを発症せずに済んでいるものと思われます。
結局、与え方を間違えてしまえば、卵アレルギーを発症するし、間違わなければ、発症せずに済み、卵アレルギーの素因があったことすら気づかないということなのでしょう。
言い方は変ですが、卵アレルギーを発症しないとラッキーということなのかもしれませんが、そういう人はぜんそくが出てくる可能性が高いと思います。やはり、見逃さない方がいいんだろうと思っています。
いずれにしても、全国津々浦々、卵黄を上手に食べさせることで、卵アレルギーの発症が抑えられているのは事実なんだろうと考えています。
“上手に”と書きましたが、これも結果論で発症しなければ、上手くいったということになると思っています。