食物アレルギーは、経皮感作により起こることが分かってきました。
皮膚というか、湿疹部分からの刺激を受けて、卵や乳の抗体が作られる訳ですが、この湿疹はピンからキリまでです。つまり、明らかなアトピー性皮膚炎の湿疹からということもあれば、「これって本当にアトピーなの?」という軽微な湿疹からということもあります。
何れにしても、経皮感作を起こすような湿疹があれば、治療すべきだと考えています。にも関わらず、当院に来られる患者さんは、アトピー性皮膚炎が見逃され、湿疹の治療がほとんどされることなく、食物アレルギーの症状を起こして受診されることが多いようです。
当院では、乳児期の湿疹をみたら、アトピー性皮膚炎ではないかと疑うようにしていますので、ほとんど見逃さないように努めているつもりです。この姿勢が食物アレルギー対処の肝だと感じていますが、同様の考えの医師が増えてこないと、食物アレルギーの診療はうまくいかないものと思われます。つまり、後手に回ってしまう訳です。
経皮感作してからでは、食物アレルギーを作る一方なので、アトピー性皮膚炎を軽微なものから見つけて、治療するようにしています。
当院に来られる頃には、しっかりと悪くなっている患者さんが多く、掻いては悪化し、悪化しては掻くの繰り返しとなります。アトピーの特徴は痒いことなので、キチンと治療する必要があります。
多くの医者が、ステロイド軟膏を湿疹のあるところに塗り、できるだけ薄く塗り、よくなったらやめるように指導しています。実は、アトピーにはやってはいけない指導だと考えています。
広く、べったりと厚く塗り、よくなってもやめずに塗り続けるのがコツです。そうして1、2週間後に再診していただき、皮膚の改善具合を確認させていただくのですが、「全然違います」と言われることが多いですね。
そもそもまともに治療していなかったので、改善して当然なのですが…。敢えて言えば、アトピー性皮膚炎を診断できないし、治療もできない医師があまりにも多いということです。
これでは、食物アレルギーは減らせるのに、減らせられないことになりますよね?。