小児科 すこやかアレルギークリニック

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2020年02月10日 更新

週末、学会発表してきました。

食物アレルギーの学会の推奨する方針で、問題のひとつは除去の方針に傾き過ぎていることだろうと考えています。

いや、もしかしたら分かっていて、そうしているのかもしれません。医者の世界って極端で、何でも食べさせると言ってしまって、事故を起こしてしまったら困りますから…。

分かった医師が責任を持って食べさせるしかないんでしょうね。この前も触れましたが、「家で食べさせて、アナフィラキシー を起こしたら救急車で来院しなさい」なんて言う小児科医もいるくらいですから。

私の発表は、その除去に傾いている方向性に一石を投じたいと思っていました。

卵白がクラス6の患者さんに卵クッキーを食べさせたら、どうなると思いますか?。事故が起こるとお考えですか?。

そういった患者さん22人に卵クッキー3枚を食べさせてみました。結果は19人は何も起こりませんでした。では、残りの3人はどうなったのか?。蕁麻疹や嘔吐が軽く見られましたが、抗ヒスタミン薬の内服で軽快しています。

その3人も、諦めずに食べられる範囲で食べさせていたら、卵クッキーを食べられるようになりました。どうでしょう、意外な結果だったでしょうか?。

もし意外と思われたらのなら、プロバビリティカーブの呪縛に取り憑かれているのだろうと思います。卵白のプロバビリティカーブでは、クラス6だと100%症状が出るとされていますから。

それはあくまで卵焼きなどの卵料理であって、卵クッキーなどの少量を含むものだと結構と食べられます。と言うか、クラス6だろうと、食べられる範囲を負荷試験をやって見つけ出し、食べられる範囲で食べていくという方針に則って進んでいくことが重要です。

少なくとも、私がこれまで経験してきたクラス6の患者さんは、そうでした。本当に完全除去しなければいけない患者さんはおりませんでした。

要は、日頃からいかに食べさせるか、食べさせたいかと考え、工夫していれば、どうにかなるということなのだろうと思っています。