先週末は、全国学会でした。
冒頭のスライドは、除去の姿勢が良くないのでは?というものでした。学会は、卵、乳、小麦、大豆は治りやすいので、症状が出たら向こう1年は除去と言っています。
しかし、その根拠となった論文は1989年のもの。今とは時代が大きく異なっています。つい、遠くを見たくなります(汗)。
以前も触れましたが、専門医であっても、小麦でアナフィラキシー を起こした赤ちゃんに「小麦は1年間除去」と言っていました。私は1年除去しても治るという印象は、まったく持っておりません。1年はあまりにも長い。そして、除去する習慣に慣れてしまうと思います。
そして、プロバビリティカーブ。抗体の数字が高いと100%症状が誘発されることになってしまいます。
専門でない医師は、「クラス6では専門医に紹介しても、除去されちゃうんでしょ」と考えてしまうことでしょう。
そこで、卵白がクラス6の患者さん22人に卵クッキーの負荷試験を行った結果を示しました。86%は何も起こらず、残りの3人も諦めずに食べていたら、卵クッキーに再挑戦し、クリアできました。
症状が出ても、1年なんて除去しません。負荷試験で症状が出てしまっても、家で食べられる量を設定し、食べ続けてもらい、その後にクリアしました。
プロバビリティカーブは、卵焼きなどが難しいのであって、卵クッキーなどの加工品が食べられないことを証明している訳ではないのです。
そう考えてみても、ちょっと食物アレルギーの独学をした親御さんや、医師であっても、「クラス6なんて、除去が当然」という誤った認識から逃れられないという現状があるのだろうと思います。
私は、この精神で、卵以外でも乳、小麦のほか、ピーナッツやクルミ、イクラでさえも「食べられる量があるはずだ」と考えて、取り組んでおります。