医学の世界は、日進月歩とされます。
逆に「日進月歩」と言えば、「医学」という言葉を思い浮かべる人も少なくないと思います。
これって、本当でしょうか?。例えば、食物アレルギー。いまだに多くの医師が抗体価が高かったり、食べて症状を起こすと、「除去しなさい」と言います。
ガイドラインにも、1年待ちなさいと書かれてはいますが、正直、どこまで医学的根拠があるのだろうかと疑問に思っています。
一部の先進的なことをやっている専門医は、なるべく食べさせる努力をしています。そして、それなりの成果を上げていることでしょう。ですので、確かにこのようなことは「日進月歩」に値するものと思われます。
残念なことに、多くの患者さんが、かかりつけ医からそう指導を受けられるようになるには、あと何年かかるのでしょうか?。5年、いや10年経っても厳しいと思われます。
医学は、確かに「日進月歩」の部分もあるけれど、変化を望まない医者は、これまでやってきた“医療”を好みますので、「日進月歩」の恩恵にあずかれない患者さんは、なかなか減らないということでしょう。
一向に進んでいないと感じている箇所もあります。アトピー性皮膚炎の早期発見についてです。
日頃、真面目に診療していると、軽微な湿疹も実はアトピー性皮膚炎で、多くの医師が“乳児湿疹”などと言い、過小診断、過小治療しているおり、アトピー性皮膚炎の早期発見に関する研究はほとんど進んでいないようです。
アトピー性皮膚炎の重症度を測る「TARC」という採血項目があります。個人的に、アトピー性皮膚炎の有無をみる上で有効なことも少なくないと学会でも報告しています。
ところが、第一人者の先生の講演を聞くと、「TARCは乳児期は高いので、取り扱いに注意しましょう」というだけです。当院のデータでは、アトピー性皮膚炎と診断している乳児は、とりわけTARCの数値が高いのです。結局、大学病院や専門病院には、この月齢の湿疹の患者さんは受診しないので、知る由もないのが実情だと思われます。
アトピー性皮膚炎の早期発見についての研究がほとんど進んでおらず、まさに「ブラックボックス」のようです。
確かに、この部分に関心を持つ医師はほとんどいなのでしょうが、食物アレルギーの診療には避けて通れない部分と思われ、研究が進むことを願っています。


