今月末がある学会のエントリー締め切りだったのですが、間に合いました。
通常、食物負荷試験をして、どれくらい食べられて、症状が出たパーセンテージ、その程度などが話の中心になると思います。
今回は、あえて“湿疹”にスポットを当てたものとなりそうです。すなわち、0歳の卵アレルギーの児を対象にして、その児が“湿疹”があったかというものです。
実際、ほとんどのケースで“湿疹”の存在を指摘できました。一部は問診での確認となりますが、何と生後1ヶ月の時点で6割に認められました。生後3ヶ月までで約85%でした。
この“湿疹”はアトピー性皮膚炎と考えられ、炎症のある部分から食物が入り、食物アレルギーを起こしてきます。長年、携わっている印象からすると、アトピー性皮膚炎の湿疹の程度が重く、面積が広く、さらに経過が長いと、食べ物が入り込むチャンスが多いというのは、何となく推測できると思います。まさに、それなんです。
そういう人がクラス4とか、5とか高い値をとるようになってきます。逆に言えば、アトピー性皮膚炎の治療をしっかりやることで、湿疹の程度を軽くし、面積を狭くし、速やかに改善させればいい訳です。
食物アレルギーも重い人は、まずここでつっかかってしまったのだろうと思います。湿疹を軽んじる医師にかかってしまうと、「乳児湿疹ですね」とか言われ、過小診断、過小治療を繰り返されることになります。
“湿疹”を制するものは、食物アレルギーを制す。実は、こういうことなんだろうと考えています。