小児科 すこやかアレルギークリニック

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大忙し
2020年03月25日 更新

私が“院外活動”にチカラを入れ始めたのは、2011年のことでした。

もう10年にもなるんですね。2012年の調布での食物アレルギーの死亡事故よりも前のことになります。我ながら、先見の明があるのかもしれません。

始めたのが、食物依存性運動誘発アナフィラキシー の症状で救急車騒動のあった学校に直接出向いて、次回の速やかな対応を願ってのことでした。

この患者さんは、果物を食べて、運動をして血圧低下を来しました。朝食に食べた果物が原因で、学校で発症してしまいました。

かかりつけの患者さんを守りたいと思い、学校側に勉強会を持ちかけたのが始まりでした。でも、全然乗り気じゃなくて…(汗)。何とか、理解していただき、開催にこぎつけました。

勉強会後にでさえも、学校関係者が「夕方に食べて欲しかった」と言っているのを聞いて、耳を疑いました。朝食に食べたからこそ、学校が騒動に巻き込まれてしまったと言いたいかのようでした。

今はそんなことを言う関係者は少ないでしょうが、10年ほど前はそんな感じでした。今では調布の死亡事故から、流れが一気に変わり、食物アレルギーの研修会を毎年やるべきということになっています。

私の方は、いまだにこの“院外活動”を繰り返しています。学校側は研修会は平日の日中の開催を希望しており、医師からすると、その時間帯は診療があるので、平日夜か土日を希望します。その点、平日午後が休診だったりする開業医に活躍の場があったりします。

当院の場合、水曜午後が休診のため、そこに予定を入れています。数ヶ月先までびっちりと予定が埋まっています。

本来、水曜午後は週の半ばに身体と頭を休める時間帯なのかもしれませんが、これは私のライフワークなので、仕方ありません。逆に予定が埋まらないと、心配になります(汗)。

食物アレルギーの研修会は今では珍しくも何ともありませんが、ちょっと珍しいかもしれないのが、食物アレルギーの治し方について触れていることかもしれません。

卵や乳、小麦は食べないと治る方向に動いていかないし、甲殻類やナッツ類などは負荷試験をやると意外と食べられたりします。そうすることで、無駄な除去を減らすことができます。

学校の先生方は、医師から診断を疑うことはありませんが、負荷試験をやらないと正しく診断することはできませんし、治す方向に駆け出すこともできません。当院のデータを示しながら、分かりやすい話を心掛けたいと思っています。