だいぶ以前の話になりますが、市外からエビ、カニ、イカ、タコ、貝類が高値の中学生が当院に相談に来られました。
幼児の時にこれらの数値が高く、地元の医者から除去と言われており、何の疑問も感じずに除去してこられました。
その街に私が食物アレルギーの講演に行った際、食物負荷試験の存在を知り、負荷試験希望で受診されたのです。
エビ、カニ、イカ、タコ、貝類は、負荷試験は行われていないことも少なくないようですが、結局のところ、負荷試験で白黒をつけるほかはありません。そもそも、ここ何年もアレルギー採血もしておらず、まず採血をさせていただくことにしました。
エビ、カニはクラス5でした。イカ、タコ、貝類はクラス3、4くらいだったと思います。どうでしょう、「そんなに数値が高ければ、ダメに決まってるじゃん」とお感じでしょうか?。
まず、クラス3だった貝類から負荷をしてみると、何も症状は起きず。その次にクラス4だったイカ、タコの負荷試験を行います。やはり検査は陰性。
最終的にクラス5のエビ、カニに挑戦します。実は問題なくエビもカニもクリアしました。
そもそもエビやカニなどは、新型コロナウィルスのPCR検査とある意味似ていて、感度が高くないとされます。つまり、検査が陰性であっても、食べて症状が出ることもあるし、その逆、検査が陽性でも食べられることもあります。
私の中で、この“成功体験”があるため、エビやカニが数値が出ていても、「食べられるんじゃないか」と考えてしまいます。
やはり食物アレルギーは、「挑戦あるのみ」なんじゃないかと思いました。まあ、実際は今回のように上手くとは限らないのですが…。