小児科 すこやかアレルギークリニック

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キーパーソンは
2020年04月03日 更新

アレルギー診療におけるキーパーソンは、開業医(小児科医)だと思っています。

現時点では、言葉はキツいですが、活かすも殺すも開業医であるということだろうと思っています。

どういうことかというと、これまでアレルギー診療に携わってきて、アレルギー疾患はいい加減な対応をされてくると難治化し、治りづらくなるのだろうと考えています。理想的なのは、その逆です。つまり、よく書いていることですが、「早期発見、早期治療」に勝るものはありません。

現状では、湿疹が出れば「皮膚科」、鼻が出れば「耳鼻科」、食物アレルギーや咳ならば「小児科」を受診することが多いと思います。各々が勝手に治療していますが、元々はひとりの人間です。

そもそも、アレルギー体質を持つ赤ちゃんは、「アトピー性皮膚炎」、「食物アレルギー」、「ぜんそく」、「アレルギー性鼻炎」の順でアレルギーを発症してくるアレルギーマーチに沿って病気が見られてきます。

皮膚科医は皮膚のみ、耳鼻科医は鼻のみの対応しかできないため、小児科医がアレルギーマーチを参考に、責任を持って見ていくことができれば、ベターだと思います。

ここで、小児科医というのは、開業医もいれば、専門病院のアレルギー専門医でも構いません。

専門病院の医師は、アレルギーがこじれて難治化した患者さんを診ることが多いと思っています。発症してから、何ヶ月、何年と経っていて、重症化していることもあろうかと思います。

ポイントは「早期発見、早期治療」ですから、ファーストコンタクトと言いますか、最初に接触するのは近所の開業医です。

現状では、多くの小児科医がまず最初に見られる“湿疹”を乳児湿疹などと診断していますので、結局通ってもよくならず、皮膚科に鞍替えしたりしています。

小児科の開業医のアレルギーに関する意識を高めれば、「この“湿疹”はアトピー性皮膚炎ではないか?」と疑うことができるし、次に食物アレルギー、ぜんそく、鼻炎といったアレルギーマーチの進展を予想できる訳です。

アレルギー体質の乳幼児を診る可能性のある皮膚科医、耳鼻科医にはできない、唯一トータルで、しかも早期から対応できるのが、小児科開業医だと思うのです。キーパーソンであるという根拠はここにあります。

ただ現状では、優に9割以上の小児科医がアトピー性皮膚炎の始まりを“乳児湿疹”などと診断しており、決して簡単な話ではないのだろうと思っています。