ここ最近は、水曜午後の医院の休診の時間を利用して、院外活動に励んでいます。
具体的には、エピペンを当院が処方した患者さんの通う園や学校に直接出向き、食物アレルギーについて、誤食時の対応についてお話しさせていただいています。
開院当初は、“院外”活動ではなく、“院内”活動にチカラを入れていました。毎月1回はアレルギーについて勉強会を実施していたのです。何度もやっていると、同じ人しか参加しなくなり、どうしたらもっと情報発信できるかと考え、「だったら、こちらから外に出て行こう」と考え、今のスタイルになった訳です。
実は、10年ほど前の“院内”勉強会で、パンデミックについて話していました。パンデミックとは、新型コロナウィルスで話題になっている、あのパンデミックです。
その時は、新型インフルエンザについてまとめて、お話ししたのですが、現在起こっていることを予知しているかのような内容でしたので、ちょっと触れてみようと思っています。
これまでの歴史が物語っていますが、人類は新型ウィルスとの戦いが繰り返されてきました。スペイン風邪:1918ー1918年、4000万人が亡くなっています。その後もアジア風邪:1957-1958年、200万人以上死亡、香港風邪:1968ー1969年、100万人以上死亡となっています。
毒性の強い新型インフルエンザが流行した場合の予測が立てられていて、日本では3200万人、実に人口の25%がかかることを試算されており、入院患者が53ー200万人、死者が17ー64万人(致死率0.5-2%)と予想されています。新型コロナウィルスよりは毒性が強いウィルスでの計算です。
パンデミックに陥ると、流行は長期に渡り、第1波をしのいでも第2波、第3波の襲来が予想され、社会機能が停止し、経済が大きな損失を受けると考えられています。あまり煽るつもりはありませんが、2ヶ月程度の食品、日用品の準備が勧められています。
この当時も、ワクチンの開発に約半年はかかり、国民に行き渡るには最低1年かかると言われています。10年前に現在のことを予知しているかのように感じませんか?。
企業の社員が4割欠勤するとどうなるかについても、当時お話ししていました。「病院」では、医療従事者、ベッドが大幅に不足、「電気」は従業員不足で一時的に停電の恐れ、「ガソリン」は地域により一時的に供給停止、「交通」は鉄道、バスの運行本数が減少、「銀行」はATMや窓口の一時的なサービス中断、「行政」は窓口業務が中断の恐れ、「食料、流通」は食料品の輸入、製造の中断や減少、市場の機能低下で生鮮食料品の流通中断が予想されています。
現在、心配されていることは、すでに以前から予知され、懸念されていたのです。10年前の勉強会の資料を見直してみると、ゾッとします。今後、毒性の強い鳥インフルエンザが人に感染し流行したら、今回以上の悲惨な状況になり得ます。
それよりも何よりも、今回の新型コロナウィルスに立ち向かわなければなりません。真っ向勝負では勝ち目はないと思っています。我々にできることは“やり過ごす”ことでしょうか?。
「コロナ疲れ」て外出する人が多いようですが、私も含め、改めて自分の行動を見直す機会にしていただければと思っています。