先日、10代の小学生に対し、クルミの負荷試験をやろうとしました。
クルミの数値はクラス3だったかな。ただ「Jug r1」というクルミアレルギーを詳しくみる数値が低く、食べられるのではないかと考え、負荷試験をやる予定を組んでいたのです。
ただし、本人は不機嫌です。ずっとクルミを除去きたため、食べるのに相当な恐怖心を抱いているようです。10代の小学生というと、理論的に説明すれば、ちゃんと理解してくれると思います。
Jug r1に関するパンフレットを用い、クルミの数値が高いだけなら、クルミアレルギーの有無は判断しづらいけれど、Jug r1を指標に用いると、数値が高い人は食べると症状が出て、低い人は食べられる確率が上がるという説明を本人にしました。抱いている恐怖心を少しでも払拭できればと思ったのです。
こういうケースでは、症状を行い程度の微量から食べさせて、自信を持ってもらうという作戦をとります。
クルミは0.05gという微量からスタートしようと考えました。しかしながら、怖がって食べようとはしませんでした。母やスタッフがなだめすかし、かろうじて食べることができましたが、それ以降は恐怖ですくんでしまい、食べることができませんでした。
決して症状を起こした訳ではありません。もう5、6年前のことですが、クルミを食べて具合が悪くなったことが、昨日のことのように思い出されるのだそうです。
「そこまでしなくても」というご意見もあろうかと思います。しかし、食物アレルギーは食べて治す病気であり、食物アレルギーの対応は“除去”が基本になっていますが、それで治るものとは考えていません。親元を離れる年齢が18歳だとすると、あと6、7年しか残されていません。
「できれば治って欲しい」と願い、今回負荷試験を計画しました。本人には申し訳ないことをしたと思っていますが、食物に対する恐怖心は、こんなにも根深いものなのかと思い知らされました。
微量でも食べられれば、その分は食べられるようになると考えています。今回0.05gを一応食べ、明らかなアレルギー症状は起こしませんでした。それくらいは食べられるということなのでしょう。
食物アレルギーは、年齢を経ると、恐怖心との戦いという側面が大きいのだろうと感じています。となると、「除去」がそこまで恐怖心を大きくしたとも思えます。
恐怖心が大きくはないであろう低年齢のうちに食べさせることの重要性を再認識させられた1日でした。