小児科 すこやかアレルギークリニック

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クラスが高い
2020年04月15日 更新

水曜の午後の休診を活用しています。

ずっと休みなく、講演の予定が入っています。今日も某小学校に伺う予定です。この春、小学校に上がった食物アレルギーのお子さんにエピペンを処方したので、要請があったのです。

私は、重症の食物アレルギーのお子さんを守りたいから、その子の通う学校に出向いているのです。私の話の特徴は、その患者さんがいかに重症で、誤食というミスが許されないかを園や学校の先生方に知ってもらうことです。

ちなみに、今回の新小学1年生のお子さんのデータは、卵白クラス5、ミルク6、小麦6等です。

食物アレルギーに20年近く携わっていると、いつも言っているように、「除去」がいけないのではないかと感じます。

しかし、全国的にも約20年も食物負荷試験をやっているような医師はほとんどいないことでしょう。食物アレルギーと言えば、多くの医師、患者さんが除去するのが当たり前だとお思いでしょう。

私のいまやっていることは、0歳から食べさせるということです。先ほど記したように、今回の患者さんは卵、乳、小麦がいずれもクラス5や6と極めて高い値を示しています。

0歳からクラス2以上の患者さんに卵や乳、小麦を食べさせています。ふと気づくと、卵、乳、小麦の数値はクラス2から4くらいが中心で、5や6の人はほとんどいません。

クラス5や6になるのは、1歳以降のことなのか、当院に重症が集まらないのか(汗)、除去を続けているの、のちにクラス5や6に上りつめるのかなどなど可能性はいろいろと考えられると思います。

そもそも、乳児期にひどいアトピー性皮膚炎で受診される赤ちゃんは、数値が軒並み高かったりしますが、そういう患者さんは最近見かけないですね。

何となく除去していると、数値が下がらず、かえって上がるのかもしれないと考えています。今回のケースも一時、卵に関しては食べるよう指導されていたようですが、乳と小麦は当院を受診される5歳まではずっと除去されていたようです。

食物アレルギーは、5年も除去していると、かなり難治化することがあります。負荷試験が進んでいませんが、小麦は少量でも蕁麻疹のほかに咳が誘発されます。

数値が高いから、必ず重症という訳でもありませんが、一般的には数値と重症度は相関すると思います。

食物アレルギー、どうすればいいのか?と考えると、結局は数字が上がりきる前に食べさせていくことも大切なんだろうと考えています。