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やり甲斐
2020年04月17日 更新

かかりつけ医制度というものがあります。

日本医師会が提唱しているのですが、文字通りで、気軽にかかることができて、心配事を相談でき、必要があれば病院へ紹介してもらうことができるという制度です。

そういう頼りになる医師が近くにいることは、頼もしく、安心につながることなのだろうと思っています。

ところが、新型コロナウィルスの流行の辺りからあやしくなってきました。かかりつけ医が、熱が続いたり、だるかったり、息苦しかったりしたら、地域の保健所に相談しろというのです。

これは前にも触れました。“かかりつけ医”は「保健所に行け」、保健所は「かかりつけ医に相談しろ」と言います。路頭に迷わないように、「かかりつけ医を持ちましょう」と言っておきながら、いざという時には頼りにならないなんて、おかしいだろうと思っています。

私は真面目な方だと思いますが、こんな筋の通らないことは嫌いですね。かかりつけの患者さんが具合が悪ければ診るし、本当にコロナの可能性があれば、私の方から保健所に相談しなければと考えています。

先日、熱が続く2歳児が当院を受診されました。当地では一部に感染症がありますので、RSウィルス、ヒトメタニューモウィルス、インフルエンザを調べましたが、どれも陰性でした。採血もしてみましたが、炎症反応は0.2と低く、何らかのウィルス感染が疑われます。

こうなると、俄然肺炎が心配となります。胸のレントゲンを撮ってみると、肺炎像が…。

可能性としては、新型コロナの可能性もなくはないのだろうと考えました。さすがに少々困りました。保健所に相談しよう、そう思いました。

電話して、海外渡航歴などがあるか聞かれ、「まだそんなことを言っているのか」と愕然としました。テレビでも、死にそうにならないとPCR検査が受けられないと言っていましたが、似たようなレベルなんだろうと感じました。

全身状態はそこまで悪くなく、親御さんも外来治療を希望されたので、もう1、2日経過をみようと思いました。帰る段になって、薄っすらとヒトメタニューモウィルスが陽性かという話になりました。

それが本当なら、待つしかないという方針になります。後日再診してもらいましたが、3、4日続いた熱はその日で下がったそうです。

かかりつけ医の役目を果たすには、こんなヒヤヒヤすることもありますが、やり甲斐はあると感じています。