ネットニュースでは、新型コロナウィルスの記事には事欠きません。
実際に診療に当たっている医師や看護師がインタビューを受けていても、顔にはモザイクがかかっていることもあります。
それは、顔が出てしまうと、その人からコロナウィルスをもらってしまうという差別を受ける可能性があるからなのだそうです。このように医療関係者の差別が問題になっています。
確かに患者さんの治療に当たっていますので、ガウンやマスクをしていても、もらってしまう可能性はあります。しかし、地域の基幹病院はICU(集中治療室)があったりして、新型コロナを診るという役割分担がありますので、診たくなくても診ざるを得ない状況なのだろうと思います。
地方だと、そういった医療機関はその地域に1、2箇所でしょう。見ていると、開業医は面倒なことに巻き込まれたくはないとすぐに「保健所に相談してくれ」と言うようです。
しかし、これだけ日本中に広がってくると、そう逃げてばかりはいられないと思っています。当院では、かかりつけの患者さんを守ろうと、発熱など体調を崩した患者さんの診療は行なっています。今のところ、保健所に相談するようなケースにはほとんど遭遇していません。
ネットで“町医者”の先生が取材をされているニュースを見つけました。感染症がご専門のようです。もちろん、氏名も所属も、顔出しで取材を受けていました。
その先生のクリニックには、新型コロナの疑いのある患者さんは連日受診されているのだそうです。
東京の先生なので、他にも受け入れてくれる病院はあるはずで、避けることもできるはずですが、取材の中で学問的にも「診たい」、「逃げたくない」というようなことをおっしゃっていました。開業医には珍しいタイプで、尊敬に値します。
こういう医師が増えてくれれば、開業医と保健所のなすりつけ合いも減るのでしょうね。保身も決して否定はしませんが、学問的に興味を持ち、経験を踏みたいと願う気持ちはすごいと思っています。
こういう記事、励みになります。