「コンタミはどうか?」と質問されることがあります。
コンタミネーションの略で、同じ製造ラインで作られていますなどと記載されている場合、わずかの混入が許されるかどうかを園や学校が知りたいために、そう持ちかけられるのです。
例えば、卵アレルギーの場合、卵クッキーを食べている場合は、濃いものを既に摂っているため、コンタミは許容していることが分かります。
でも、卵を完全除去されている場合、微量も摂っていないので、コンタミを許容しているかどうかは、分からないということになります。
先日、過去にクルミで即時症状を起こした患者さんが、園から「コンタミはどうか?」と質問され、当院に相談に来られました。
このケースでは、クルミは完全除去しているため、コンタミが許されるかどうかは私にも分かりません。クルミの数値も高く、既にクルミの摂取でアレルギー症状を起こしているため、多くの医師が「コンタミもダメ」と判断しているのだろうと思います。
確かに、そちらの方が万全かもしれません。クルミと同じ製造ラインで作られている食品が多いかどうかも、よく分かりませんが、ある程度は明確な根拠を持って判断したいと考えています。
ということで、微量のクルミで負荷試験をやることにしました。クルミ0.1gでも症状が出るケースも経験済みなので、0.01gから開始しました。2、3度微量のクルミを試して何も起きないことを確認できました。
ということで、コンタミは可と判断しています。他の食材であっても、コンタミが大丈夫かどうかと聞かれたら、本当は負荷試験が必要なんだろうと考えています。でも、実際は多くのケースで負荷試験なんて行われていないのだろうと思います。
確かに、そんなリスクを負ってまでやることかと言われてしまいそうです。しかし、食物アレルギーは食べなければ治る方向に進まないと考えております。ですから、コンタミが大丈夫かどうかだけでなく、治す方向にも視野を向けての負荷試験だったのです。
できれば、治してしまいたい。相手が難敵のクルミであっても、そのように考えて取り組んでいるつもりです。