小児科 すこやかアレルギークリニック

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有益な姿勢
2020年05月29日 更新

アトピー性皮膚炎は、アレルギーマーチの起点と言われています。

アレルギーマーチとは、言わずと知れたアレルギー体質の小児が「アトピー性皮膚炎」、「食物アレルギー」、「ぜんそく」、「アレルギー性鼻炎」の順に出てくる発症様式を指します。

湿疹から食べ物が入り、食物アレルギーを発症してくるように、要はアトピー性皮膚炎がなければ、食物アレルギーは発症してこないのではないかと考えられます。

ですから、何はともあれアトピー性皮膚炎を早く見つけ、治療することが大切だと考えています。

ところが、治療にあたる多くの小児科医、皮膚科医が、軽いとみんな“乳児湿疹”と診断してしまいます。「こんな軽いものはアトピー性皮膚炎ではない」と捉えているようです。

程度の重いものしかアトピー性皮膚炎と捉えない見方は危険です。なぜなら、病気はだいたい軽いものから重いものまで、ピンからキリまであるものだから。

となると、悪いものしかアトピー性皮膚炎ではないことになってしまいます。「腐っても鯛」じゃないですが、軽くてもアトピー性皮膚炎、小手先の治療では制御できず、悪化を繰り返します。そして、食物アレルギーを生んでしまいます。

もうちょっと食物アレルギーに関心のある医師が増えれば、アトピー性皮膚炎を見逃さない医師が増えてくるのでしょうが、「食物アレルギーは除去しなさい」で済ませてきた医師があまりにも多く、早期発見に何の価値も見出せない医師が多いのが現実です。

アトピー性皮膚炎を早く見つけるメリットがもう一つあります。中途半端に治療して、アトピー性皮膚炎を悪化させてしまうことが減ると思うのです。

当院は、アトピー性皮膚炎で定期通院されている乳幼児が多いですが、親御さんは皮膚症状を悪化させないように目的意識を持って通院されています。これは患者教育としては、極めて重要なことです。

アトピー性皮膚炎、食物アレルギーとも、一旦後手に回ってしまうと、そのツケが徐々に大きくなります。いや、確実に後手後手な状態に陥ります。

親御さんにとって、とても有益なこの姿勢を、多くの患者さんに知っていただきたいのです。