アトピー性皮膚炎の治療は、多くの医師が誤解しているのだろうと思います。
「ステロイド軟膏を薄く塗って、よくなったら中止して..」などと小児科医はよく言います。
アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚を良い状態にして、それを持続させて、悪化しないクセをつけることが重要です。
多くの医師の言う「薄く塗って、すぐに中止して…」というやり方は、これまでは「半歩進んで、半歩下がるようなもの」と言ってきましたが、そうではないようです。半歩進んで、半歩下がるでは、プラスマイナスゼロということです。
今では、「半歩進んで、1歩下がる」ようなものだと感じています。結局、中途半端な治療をやっているうちに、皮膚を安定させることができず、徐々に悪化するクセがついてしまうようです。これだと、プラスマイナスの収支でいうと、マイナスに傾くと思います。
そういう状況を続けていては、全体的に掻いて悪化して、悪化しては掻いての繰り返しになってしまいます。要は、どんどんマイナス方向にズルズルと引きづられてしまいます。
中途半端な治療をしては、改善させられない。悪い流れを振り切って、チカラずくでプラス側に転ばせる感じでしょうか。マイナスの流れをものともせず、ガンガンと前進していくイメージでしょう。
そうすると、皮膚を掻かないから、皮膚は悪化しにくい。より安定していくという寸法です。
そもそもアトピー性皮膚炎の治療に「できるだけ薄く塗って、時期にやめて…」という方法は存在しません。ガッチリ塗って、安定した状況を作るという方法しかないと言っても過言ではありません。
いつになったら、この当たり前のやり方が、スタンダードな治療として定着するのでしょうか?。残念ながら、数年では難しいでしょうね。