皆さん、日本は先進国で医療も先進的だと信じています。
アレルギーをやっていると、「本当にそうなのかな?」と考えることがよくあります。
当院は、まもなく開院13年となります。開院して、アレルギーの情報発信をしようと考え、ホームページにいろいろと書きはじめました。
特に食物アレルギーは、食物負荷試験を行い、食べられる努力をして、無駄な除去はしないと13年前から気づいていましたので、食物負荷試験の存在を食物アレルギーで困っている多くの親御さんに知らせたいと思いました。
似たような内容になっているのでしょうが、これまで負荷試験について1000件を超える記事を書いてきたと思います。
その結果、ごくごく一部の患者さんに伝わり、当院なり、専門医への受診につながったのだろうと思います。よく書いているように、食物負荷試験は、医師の間ではほとんど広がりません。
患者さんは、医師の言うことを全面的に信じることがほとんどで、医師自体も専門医に紹介することもほとんどなく、負荷試験をしない“診療”が、ここ日本では当たり前のようになっているからです。
13年経っても、日本の食物アレルギーの診療は、そんなに変わったとは思っていません。
いまは、何を考えているのか?。アトピー性皮膚炎の軟膏の塗り方をお知らせしたいと思っています。アトピーを早く見つけて、しっかりと治療すると、食物アレルギーにも相当に有利に働くからです。
これについても、書いてしまえば、わずか1、2行で済んでしまいますが、食物アレルギーの正しい診療を広める以上に、困難を極めると思います。
食物負荷試験を知らしめたいと12、3年頑張ってきましたが、例えば、これから10年以上アトピー性皮膚炎の治療について触れても、ほとんど変わらないのだろうと予想されます。
アトピー性皮膚炎は、小児科医のみならず、皮膚科医も診療しています。アトピー性皮膚炎は“悪い経過の長い湿疹”でないと、アトピー性皮膚炎と診断できない、診断しない医師がほとんどであり、治療についても、圧倒的に「ステロイド軟膏は薄く塗って、よくなったらすぐに塗るのをやめる」と指導する医師が多いからです。
「ステロイド軟膏を薄く塗って、すぐにやめる」という治療の逆をすると、アトピー性皮膚炎は結構上手く治療できるように思います。
これを多くの患者さんや親御さんに広めるには、あまりにもハードルが高い。食物負荷試験を広める以上に困難なんだろうと感じています。