小児科 すこやかアレルギークリニック

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Arah2
2020年06月20日 更新

先日、ピーナッツがクラス3の患者さんに負荷試験をやりました。

通常、ピーナッツがクラス3だと負荷試験はやられていないことの方が一般的だと思います。ソバとかエビなどと一緒で、食べさせるのを怖いと思う親御さんやドクターが多いからです。

でも、私はやる気満々でした(笑)。負荷試験を覚えたての医者が、やりたがるのとは訳が違います。それなりの成功するという根拠があったからです。

それは、「Arah2」が陰性だったから。これは、ピーナッツアレルギーを詳しく見る検査です。ピーナッツアレルギーの有無を調べることに特化した検査項目と言えると思います。

ピーナッツを食べて症状が出る患者さんが、「ピーナッツ」という項目を調べたとします。検査の精度が甘いこともあって、検査が陽性であっても、食べられることが少なくないのです。

その点、「Arah2」は、陽性だと食べられないことが多く、陰性だと食べられることが多いのです。これは有り難い検査です。

感度は良好であり、「ピーナッツ」が陽性であっても、「Arah2」が陰性ならば、食べても何ともないことがほとんどです。

この検査の恩恵にあずかれるのは、Arah2という検査項目があることを知っていることと、ピーナッツの負荷試験をし慣れていることという二つのハードルがあると思います。

食物アレルギーの関心のない医師は、Arah2なんて調べたことがほとんどないだろうし、仮に調べてみても、負荷試験をやる実行力がなければ、「ピーナッツが陽性で心配だし、ピーナッツなんて食べる必要性はあまりないから、除去を続けましょう」なんて言われてしまうでしょうね。

ピーナッツは負荷試験をやってみると、意外と食べられることを経験しており、“怖い食べ物”に仕立て上げられている部分もあるんじゃないかと感じています。

いつになったら、Arah2が有効に活用され、必要のないピーナッツ除去が確実に減らされるのでしょうか?。