先日、ある小児科の先生から突然メールをいただきました。
2月まで当院に通っていたアトピー性皮膚炎の赤ちゃんが、春から某市に転居されたようです。その子の治療についての相談でした。
言ってくだされば、紹介状を書いたのでしょうが、何も言われていなかったので、「えっ」という感じです。当院に通っている頃は、皮膚症状も悪くなかったのに…。
メールによると、顔の湿疹が良くならないのだそうです。顔の湿疹は、いち早くよくしないと、食物アレルギーが悪化してしまうかもしれないので、一刻の猶予もないと捉えるべきです。
残念ながら、アトピー性皮膚炎の治療は、その医師の実力で大きく変わってしまいます。その先生はアレルギーが専門ではないので、仕方ないといえば仕方ないのですが、こうやってメールで相談してくるのって、なかなかできることではありません。
患者さんは、医師の腕に差があるとは思っていないし、医師から「湿疹がよくならないことは仕方ないこと」と言われてしまえば、諦めるしかありません。
あとは、医者の良心の問題だったりします。良心がなければ、そのまま様子を見ることになるでしょうし、良心があったからこそ、相談があったと考えるべきでしょう。
メールに画像は添付されていませんでしたが、状況はだいたい分かりました。明らかに治療不足です。アトピーなどの慢性疾患は、油断したり、気を抜いたりすると、病気がつけ上がるのです。またガッツリと治療をして、皮膚を安定させるしか方法はありません。
実は、その先生とは顔見知りというか、一緒に働いたことがありました。真剣に悩まないと相談なんてしてこないのが医者の世界ですから、その先生の期待に応えたいと思いますし、私の技術を包み隠さずに、提供するつもりです。
最近は、新型コロナウィルスのこともあり、リモート診療なんて言われています。患者さんがクリニックに来院せずとも、診断、薬の処方を受けられるというものです。
この患者さんについても、今のかかりつけの先生を介して、私の技術を活用して、診療を受けることができる訳です。これが上手くいけば、すごいことだと思いますし、そう思いませんか?。
自分で言うのも何ですが、多分、私のアドバイスを受ければ、アトピー性皮膚炎診療の視界はかなり広がると思います。さあ、上手くいきますやら?。