ピーナッツアレルギーを疑った場合、採血項目で「ピーナッツ」を調べます。
ピーナッツは、「数字が高い」=「完全除去」と指導されていることが多いようです。
食物アレルギーの基本は、相手がピーナッツであろうと、完全除去にはせず、必要最小限の除去を目指すことにあると考えています。ですので、本当は少量の負荷試験を行い、食べられる量は食べさせていくのが基本でしょう。
しかし、ナッツ類を食べさせることは危険と考えられており、基本方針が守られていないことが多いように感じます。負荷試験は行われていないことが多いように思っています。
そんなことから、コンポーネントという考え方が進歩してきたようです。つまり、「ピーナッツ」という項目は、陽性でも食べられることもあるため、より精度の高い指標を探すということです。
ピーナッツの貯蔵タンパクの「Arah2」という項目が、注目されました。ピーナッツアレルギーをより正しく見極める検査として、使えると評価されるに至ります。
以前も触れたことがありますが、「ピーナッツ」がクラス6のお子さん。「Arah2」がクラス0でした。ピーナッツの負荷試験を行うと、問題なく規定量を食べることができました。
ピーナッツであれば、Arah2をコンポーネントと呼びます。これはクルミやカシューナッツでも調べることができます。先ほどの例のように、負荷試験をせずとも、コンポーネントを調べることで、食べられるかどうかを評価できるようになってきました。
便利になってきたものです。次回は、コンポーネントの課題について触れようと思います。