先日、市外から食物アレルギーを心配されるお子さんが初めて当院を受診されました。
ヤマイモなどを食べて、発赤、痒みが出て、息苦しさを伴ったようです。近くの病院を受診し、ヤマイモの採血を行い、陰性だったそうです。
結局、何が何だか親御さんも学校も分からないため、学校側から当院の受診を勧められたそうです。
こんな対応、結構あります。親御さんはヤマイモを疑っていて、しかしながら採血結果は0だったので、ヤマイモではないんじゃないかという結果で、原因か原因でないのか、分からない状況でした。
医師は自分のお子さんであれば、どうやって対応するつもりなのでしょうか?。結局、自分の子ではないので、「様子を見てくれ」なんて言われたら、親御さんは引き下がるしかないのです。
実際、親御さんや学校側は困り果てて、当院を受診された訳です。医師は困っていないので、専門家へ紹介しようとも思わない。今回のようなケースは、少なくとも新潟県では一般的な対応であり、だから今日のタイトルは「アベレージ」としました。
食物アレルギーは、原因が分からなければ、避けようがないし、対応ができません。風邪と違って、簡単には自然治癒しません。ですから「様子を見てくれ」なんて言われても、迷惑なだけです。
この対応に、私は怒っています。口の周りが赤くなった程度ならともかく、呼吸苦まで起こしているのです。様子を見ていいレベルではなく、エピペンを処方されるべきレベルです。なので、原因は是が非でも特定する必要があります。
原因が特定されず、エピペンも処方されず、専門医にも紹介されない。もう最悪です。こんなケースでは、これが普通の小児科医のアベレージであり、日本の現状です。
ちなみに、私はどうしたか?。親御さんに其の足でヤマイモを買ってきてもらいました。皮膚テストをやったら、腫れて、痒くなり、原因は特定できたと考えています。ヤマイモは、加熱したものは症状が起こしにくかったりします。その辺の注意点も話し、エピペンを処方し、使い方を説明しています。
学校で預かってもらえるのなら、学校にも説明に行く心づもりでいます。自分で言うのも何ですが、これくらいやって合格点くらいでしょうか。
最初の医師との対応を、最初から読み直して、合格レベルかどうか確認していただきたいと思っています。