小児科 すこやかアレルギークリニック

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2020年08月03日 更新

アトピー性皮膚炎の治療目標って何でしょう?。

簡単に言ってしまえば、ステロイド軟膏は使わず、保湿剤のみで皮膚を落ち着かせることだろうと思っています。

そのためには、いくつものハードルがあります。まずはいつも言っているように、特に乳児は“乳児湿疹”などと診断されていることが圧倒的に多いことです。

要するに、医師が湿疹を甘くみて、過小診断、過小治療を繰り返せば、よくなるものもよくなりません。基本はステロイド軟膏を使用することにありますが、いまだにステロイドを使いたがらない医師が多いこと。

仮に使っても、薄く塗って、よくなったらすぐに止めるように指導されています。上っ面をよくするだけでは、急に止めると「リバウンド」してしまいます。であれば、しばらくは“高値安定”の状態を作ることが大切です。

個人的には、ステロイド軟膏はゆっくり減量して、治療の間は“高値安定”の状態がビクともしないのが理想だろうと考えています。

そうやって初めて、ステロイド軟膏の塗布を中止し、保湿剤だけで何とかできる土俵に立てると思っています。

それなりの期間を要しますが、基本的に保湿剤のみで、ステロイド軟膏をほとんど使わない状況にできれば、さしあたりの目標は達成だと思います。

話によると、アトピー性皮膚炎の治療の上手い医師は、治療に当たるほぼ全例をそういう状態にできるのだそうです。多分、全国でもそこまでの医師はそうはいないことでしょう。

乳児のアトピー性皮膚炎は、その状態に持っていくのはそう難しくないと思いますが、乳児以外のもう少し年長の難治化したアトピー性皮膚炎であっても、そうできるようにならなくてはいけません。

アトピー性皮膚炎の治療、もっと上手くなりたい、そう思っています。