私の特有の表現があります。
乳児期の食物アレルギーは、“寝ぼけている”というものです。どういうことかと言いますと、卵アレルギーなら、検査項目の卵白が陽性であっても、0歳ならば負荷試験が陽性になることはとても少ないということです。
もっと大きい子の方が、検査が陽性の場合では、強めに症状が出るように思います。言わば、食物アレルギーが“覚醒”する前に、卵に対し、体を慣らしていくべきではないかと考えています。
先日、小麦を食べてアレルギー症状を起こしたという乳児が初診されました。小麦の項目も陽性で、小麦アレルギーを発症しているようです。
この患者さんに対し、うどんを用いて負荷試験を行いました。細めのうどんを短く切ったものを、離乳食として与え、症状が出たようです。これくらいなら、症状が出ないという量を設定するのが、今回の負荷試験の目的です。
0.5センチでは何も起きません。しばらくして1センチ。これも何も起きません。そして、2センチ。小さなじんましんが出てしまいました。
かなり細いうどんなので、0.0何グラムという量です。この程度でも反応してしまうようです。もう既に「小麦アレルギーが覚醒してるじゃん」って感じです。
多くを摂らせてしまえば、アナフィラキシー を起こしてもおかしくはないでしょう。それでも、前に進んで行かねばなりません。
乳児の離乳食の際に、このように“覚醒”が早ければ、自宅で症状が出てしまうことを意味します。ご注意いただきたいと思っています。