ドクターヘリは、患者さんを急いで救急病院に運ぶ最終手段と言っていいかもしれません。
当院では、複数人、食物アレルギーによるアナフィラキシー でドクターヘリにお世話になった患者さんを診ています。
最初の経験は、数年前のことになります。
高原状の地形の土地で、ソバを食べてアナフィラキシー を起こした小学生。具体的には、ソバを食べて、運動し、食物依存性運動誘発アナフィラキシー を起こした模様でした。救急要請をするほかなかったのですが、救急車で行くには、つづら折りの山道を走らなければならず、時間がかかり過ぎるため、ドクターヘリが飛びました。
小児科医が乗ったヘリが到着後、アドレナリン注射を行い、某市の総合病院へ搬送されました。
それ以来、何年もソバを除去していました。最近の検査でソバはクラス0だったため、先日、ソバの負荷試験を行いました。
トータルでソバ100gを完食しています。今回の検査では、ソバを食べて、走ってみて、アレルギー症状が起こるかという誘発試験は行なっていないため、食べて運動して症状が出るかどうかまでは分かりません。ただ、食べても、その後に運動しなければ、ソバは除去する必要がないのではないかということが分かりました。
患者さんは、高校生になっていますが、きっと怖かっただろうと思います。よく食べてくれたものだと思っています。だからこそ、除去する必要がないであろうことが判明した訳です。
こういったケースでは、ソバは延々と除去されることが多いと思われます。もしかしたら、一生ソバを必死に除去していたかもしれず、ちょっとだけ“社会貢献”でできたかもしれないと思っています。