小児科 すこやかアレルギークリニック

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2020年09月07日 更新

ちょうど1年前に、小麦アレルギーの赤ちゃんが当院を初診されました。

聞けば、離乳食で小麦を摂ってアナフィラキシー を起こし、住んでいる地域の関係でドクターヘリが飛んだそうです。病院で処置を受けたのですが、たまたま実家に帰っている時の出来事であり、お住いの地域のアレルギー専門医を紹介されたそうです。

そこでの指示は、1年間の除去。まあガイドラインに小麦は治りやすいので、向こう1年は除去し、その後、負荷試験を検討すると書かれていますので、そう言われても仕方のないことかもしれません。

セカンドオピニオン的な受診でしたが、私はこう答えました。「除去してはいけない」と。

個人的には、若ければ若いほど治りやすいととらえており、1年を除去して棒に振ることはよくないと感じています。小麦なんて、食べさせると、ドンドン良くなっていくので、除去は何も生まないと考えています。

親御さんへのアドバイスは、負荷試験をやって、食べても何ともないだけの量を食べていった方がいいというものでした。

アナフィラキシー を起こしたくらいなので、食材はうどんではなく、そうめんとしました。まず、1センチを負荷し、次に3センチを負荷したら、早くも発赤が見られました。この辺が限界のようです。正直、思ったよりも相当食べられませんでした。

それでも、1センチ程度は食べてもらうこととしました。次の負荷試験では、もっと食べられるようになるはずで、例えば5センチ食べられると判断すれば、5センチ以内で食べてもらうようにします。家では増量はしません。負荷試験で食べられると確認できた量しか食べさせないようにしています。

確か3ヶ月ほどで、40センチ以上食べられるようになりました。これはそうめんでの話です。

ある程度、食べられると分かったところで、うどんにスイッチしました。負荷試験を行い、家でも何グラム食べるように指導し、先日、うどんの負荷試験に受診されました。

ちょうど当院を初診したのが、1年前。今回のうどんの目標は何と200グラムでした。小麦アレルギーの卒業の目安となる量でした。

結果は、200グラムをクリア。1年ほど前にそうめんを4センチ食べて、アレルギー症状を来していた赤ちゃんが、うどん200gを完食した瞬間でした。

専門医から「1年は除去、負荷試験はできない」なんて言われていましたが、その1年で小麦アレルギー卒業の目安となる200gを完食したのです。

いや〜、1年間無駄に除去しなくてよかったと思います。私からすれば、治って当然なのですが、親御さんからすれば、「1年除去」と小麦でアナフィラキシー を起こして間もない頃に「除去してはいけない」と言われ、どっちを取るか迷ったと思います。

信じてもらえて有り難かったです。お陰で、親御さんの期待に応えることができました。ちなみに、卵白も陽性でしたが、卵焼きの負荷試験も終わっております。

今日は、これを書きたかった(笑)。