先日、うどんで負荷試験をした1歳児がいました。
昨日触れたケースと似ています。ただ、アナフィラキシー は起こしておらず、ドクターヘリにも乗ってはいません。
アトピー性皮膚炎があり、小麦が経皮感作したのでしょう。小麦が陽性となっていて、生後7ヶ月だったでしょうか、うどんで負荷試験を行いました。
昨日は、アナフィラキシー を起こしたお子さんだっため、そうめんを用いましたが、このケースではうどんを使用しています。
うどんを数センチ食べさせたところで、発赤があり、早々に中止となりました。ただ、小麦は若いうちに食べさせると、ドンドン治っていきます。除去するなんて、もったいない。
当院では、自宅で増量はしていません。負荷試験で食べられる量を設定し、それ以内で食べてもらっています。
そして、また負荷試験をすると、前回よりももっと食べられるようになっているため、自宅で食べられる量を増やして設定し、それ以内で食べてもらっています。
今回も最初は、うどん数センチしか食べられないことが分かっていましたが、負荷試験を行うたびに、もっと食べられることが分かるので、確実に食べ進めることが可能となります。
最初の数センチで症状が起きていた時から、1年2ヶ月後が、先日の負荷試験でした。目標はうどん200グラムを完食すること。
最近は、普段から50グラム食べていたので、200グラムに挑戦できるはずでした。当然のように200グラムをクリアしました。
昨日は1年で、そして今回は1年2ヶ月でうどん200グラムをクリアしています。1年かかったことが妥当なのかどうかはよく分かりません。もっと早く完了することも難しくないとは思いますが、あまり慌てて食べさせるのも、どうでしょうか。急ぎ過ぎて、つまづいても困ると思っています。
つまり、途中で症状を起こさせてしまうと、本人は怖がり、親御さんも食べさせることに抵抗感が出たりします。できれば、途中で症状を起こすことは避けたいと思っています。
とりあえずは、1歳代のうちに食べられるようになればいいのかなと考えています。
負荷試験は、「食べられないことの確認」ではありません。「いかに効率よく食べさせて、食物アレルギーを治していくか」がポイントです。
ですから、負荷試験をやって症状がでかたら「完全除去だね」となってしまうのは、誤りだと思います。