食物負荷試験の様相が変わってきたように思います。
どういうことかと言いますと、以前は食べられるかどうか白黒をつける検査でした。
最近では、負荷試験の際に、無理をせずに設定した量をどうにでも食べさせるようなことはしなくなりました。食べた範囲から、食べられる量を設定し、その量を家でも食べていくように指導するケースが増えているようです。
以前は、多めに症状を摂らせ、ハッキリと症状を起こさせて、「やっぱり除去ね」という施設が多かったように思います。
これでは何も得るものがない訳です。最近は、症状が起きてしまっても、少しでも食べさせて、食べられるようにするというスタイルに変わってきているようです。
そう考えると、少し前にやっていたことが、いかに野蛮なことか分かると思います。当院は、開院時から強い症状を起こさせてはいけないと思っていたので、ちょっと時代を先取りしていたのかもしれません。
「少し食べさせる」→「もっと食べられるようになる」→「もう少し食べ続ける」→「更に食べられるようになる」という感じです。
ベストは、症状を起こさせないことだと思います。一度でも、食べて症状を起こしてしまえば、食べることに後ろ向きになってしまいます。食べることに恐怖心を抱いては、確実に前に進めなくなってしまうこともあります。
上手にやれば、症状を起こさずに食べ進め、治してしまうことも可能だと思っています。