先日、カニの負荷試験をしました。
親御さんの話では、カニをちょっと食べただけで、症状が出たということでした。
普通であれば、親御さんは因果関係は間違いないと考えているので、「じゃあ、カニが原因だろうから、除去しましょう」となると思います。
私の場合、つい「本当だろうか」と思ってしまいます。負荷試験をし慣れているので、それで最終判断をしようと考えているのです。
個人的には、「原因ではないんじゃないか」という気持ちもありました。間違いないのであれば、負荷試験はするまでもなかったりします。
この状況で、負荷試験をやって、強い症状を起こしてしまえば、トラブルのきっかけにもなりかねません。だから、多くの医師が負荷試験なんてしないのでしょうが、カニが原因でもないのに、今後カニを必死に除去し続けるのもおかしな話です。
慎重に負荷試験をやるしかない訳です。結局、カニを規定量食べても何も起きませんでした。
無駄に除去しなくてよかったと思っています。そして、私の中で「このような状況で、負荷試験を行い、原因ではなかった」という経験が残ります。
つまり、今後正しく診断する上で、貴重な経験を積むことができた訳です。これまでも、同じようなスタンスで診療に臨んできましたので、私の直感が正しかったと証明できました。
正しい経験を積むことができました。更に今後の診療に役立つと思っています。