小児科 すこやかアレルギークリニック

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運命を変える
2020年10月26日 更新

当院は、お陰さまで開業して13年を過ぎました。

確かに歳も50を越えると、「体力」の低下を感じます。最近はインフルエンザの予防接種も入っているため、「体力」を消耗します。

ただ、「気力」の衰えはまったく感じないですね。有り難いことです。

日々真面目に診療していると、かえって日本のアレルギー診療の課題がバンバン見えてきます。そこを改めていかないと、アレルギーは減らないだろうと思っています。

まだ多くの医師達がそれに気付いていないため、多くの医師に気付いて欲しいのですが、そのためには「固定観念」を変えていく必要があります。これが難しい。

浮かび上がった課題の中で、結構簡単に変えることができるのが、食物アレルギーの運命だと思っています。

食物アレルギーは、0歳で発症することが多く、そのほとんどがアトピー性皮膚炎の湿疹からだと考えています。

巷では、多くのケースでアトピー性皮膚炎が見逃されており、皮膚から卵などが入って卵アレルギーができあがっており、知らずに卵を食べることで「発症」してしまいます。

突然のことで、親御さんもびっくりしてかかりつけの小児科を受診し、「卵アレルギーがあるから、卵を除去しよう」となってしまいます。

卵を与えない生活に慣れてしまい、卵を与えるのが怖くなってしまう。成長とともにお子さんも「卵は食べていけないもの」と覚えていく。そこで立派な卵アレルギーが完成されてしまうということなのだろうと思っています。

では、どうすればいいのか?。

アトピー性皮膚炎を早く見つけられれば、食物アレルギーを発症しやすい患者を探し出すことができると思います。離乳食を開始するに当たり、事前に検査をすると卵などが陽性になっていることが多いのです。

卵白が陽性の赤ちゃんに、少量の卵が食べられるのかどうか負荷試験を行う訳です。そうやって発症するリスクの高い患者さんに、少しずつ食べさせることで発症させずに済ませることができると思っています。

食物アレルギーの運命は、結構簡単に変えることができるのだろうと思っています。当院は、上のお子さんがアトピー性皮膚炎や食物アレルギーがあった場合、下の子が生まれると、同じ轍は踏むまいと、この戦略を活用しています。

多くの患者さんが、この戦略を知り、多くの小児科医がこの戦法をとれば、食物アレルギーの運命は変えられ、患者さんも減らすことができるのですが…。