小児科 すこやかアレルギークリニック

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2020年11月25日 更新

昨日、食物アレルギーにおいて「開業医」と「専門病院」で足並みが揃っていないことを指摘しました。

まず、「開業医」の立場から。ずっと以前からアレルギー採血の項目が陽性なら、その食べ物は除去するということをやってきたので、なかなかその“呪縛”から逃れることはできません。

敢えて言えば、食物アレルギーを治してやろうという発想を持っている医師が少ないため、“食べなければ何も起きない”という従来のやり方を選択することが多いようです。これは、楽なやり方です。

食物アレルギーは徐々に重症化してくると、「開業医」から「専門病院」へ通う施設が変わってくることが多いと思います。

「専門病院」は、食物アレルギーは増えてきており、「治せるものは治していかないと」という発想をしています。

それまでずっと除去してきたので、こじれている患者さんが少なくないと思います。もちろん、軽症であれば、どんどん治っていきますが、そうでなければ、なかなか治らないと思います。

専門病院では、患者さんが集中するため、負荷試験の予約を取るのが困難で、食べさせる“機会”を奪われてしまっているように感じています。負荷試験をやっても、場合によってはアナフィラキシー を起こし、食べられないものと諦めてしまうこともあることでしょう。

結局、開業医での対応しやすいタイミングで食べさせていくのがベストで、専門病院にたどり着いた頃には、タイミングを逸していて、気持ちの上でも食べられなくなっていることもあろうかと思います。

本来なら、“アレルギーに意識高い系の開業医”から早いタイミングで指導を受けるのが一番だと思っています。負荷試験をやろうとする開業医は増えておらず、そういう開業医を増やそうと考える第一人者の先生もほとんどおらず、食物アレルギーを早期介入で治していくという「未来予想図」はなかなか実現しないだろうと考えています。