小児科 すこやかアレルギークリニック

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2020年12月10日 更新

昨日、学会も開業医も歩み寄りがないという話をしました。

食物アレルギーは、年々増えていると言われており、専門医も開業医も対応する病気です。

学会側は、食物アレルギーの診療は専門的知識と食物負荷試験のスキルが必要で、開業医がおいそれと手を出すべきではないと考えているようです。

確かにそういうところはあるのですが、専門病院だけで対応できるかといえば、そうでもないのが実情です。それが証拠に、負荷試験を受けるのに予約を取り、数ヶ月待たされることが多いようです。

開業医に対し、こうすれば症状を起こすことなく、食べさせることができるという、開業医向けの負荷試験の方法を伝授するつもりはないように感じます。昨日も述べたように、研究の一環としてアプローチしているからではないかと思っています。

私にとっては、研究などどうでもよく、とにかく食べさせてあげたい一心でやっているつもりです。それには、加工品を食べさせることで十分だと思っています。

学会は、加工品には卵なら卵がどれだけ含まれているか不確かだと言います。不確かでもいいんです。当院は、卵クッキー、カステラという加工品を用いていますが、最終ゴールは卵焼きであり、ゴールは一緒ですから。

長年、食物アレルギーに取り組んできて、分かったことがあります。大事なのは、最大のミソは、「除去すること」ではなく、少しでも「食べさせること」だということです。

症状を起こさない量を食べていても、より食べられるようになると実感しています。というか、除去を指示していると、食べることに恐怖を感じてしまう親御さんがいかに多いことか。

ですから、学会がいうように無理をして、アナフィラキシー のリスクを覚悟して負荷試験をやらなければいけないものではないと考えています。患者さんが多いことを考えると、リスクを負いたくない開業医に対し、安全であろう方法を伝授した方が、日本国内の患者さんは救われるはずです。

でも、専門病院では開業医向けの方法は取られておらず、専門施設は開業医向けのやり方を伝授するという時代は、なかなか期待できそうにありません。

いつになったら、負荷試験がもっと患者さんにとって身近な存在になるのでしょうか?。