当院は、開院以来、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーにチカラを入れています。
多くの小児科が、アレルギーに関しては“かわす”治療をしているようです。本気で取り組まず、中途半端な治療に終始しているかのように思います。
長年、アレルギーに取り組んできて、それではいけないことに気付きました。“かわす”のはダメで、“圧倒する”ことが重要のようです。
つまり、症状を可能な限り完璧に抑えて、その状態を維持すればいい訳です。“かわす”ことをしているうちに、病気をのさばらせるというか、かえって悪化させてしまうようです。
先日、他院でぜんそく発作による入退院を繰り返し、内服のほかにパルミコートという吸入薬で治療しているという患者さんが受診されました。
主治医は専門医ではありませんでしたが、入退院を繰り返すため、それだけの強い治療が行われているようです。要は、今の治療が適切かどうか、セカンドオピニオン的に相談に来られたようです。
カルテを見て驚きました。2年前まで当院でアレルギーの治療をしていたからです。当時からアトピー性皮膚炎のほか、軽いぜんそくがあることを指摘していました。
ところが急に来なくなり、この“空白の2年間”は近くの小児科に通っていたようです。今年は3回も入院しているそうです。
当院でぜんそくの治療しているお子さんで、入院が必要な重い発作を起こす患者さんはまずいません。点滴治療は何年もしていませんし、吸入もほとんど行っていません。
予想するに、“空白の2年間”に悪化させてしまったと思われます。経験上、引き続き治療を継続していれば、ここまで悪化させることはなかったのではないかと感じています。
当院での治療をやめて、なぜ専門医でもない医師にかかってしまったのか?。距離が近いからでしょうが、返す返すもその選択が惜しまれます。
そこまで悪化させてしまうと、2年前の状態に戻すのは難しいことだと思っています。