医者の世界って、昨日も触れましたが、これだけ“医療崩壊”が叫ばれていても、「協力したくない」と言えば、それで通ってしまうという理不尽さがあったりします。
この際、もうひとつ触れてしまいましょう。
小児ぜんそくのガイドラインが、昨年発刊されました。新しいぜんそくの治療薬が発売されたり、新しい知見が得られたりすることがあるので、小児ぜんそくのガイドラインは数年ごとに更新されており、2020年版が出たのです。
このガイドラインは、小児ぜんそくの第一人者が集まり、ぜんそくの診断や治療、注意点などについて書かれています。
言わずもがな、ぜんそくは慢性疾患です。日頃からぜんそく発作を起こさないようにし続けることで、より安定させることができます。それが攻略のコツと言えます。
ぜんそくは、咳の出る病気です。風邪も咳が出る病気です。アレルギーに詳しくない医師だと、ぜんそくを“風邪”とか“気管支炎”などと誤診し、咳を長引かせてしまうことは、よくある話です。
だからこそ、専門医、なおかつ日本の第一人者のお墨付きのガイドラインに沿って治療をしていくことは、重要なことです。全ての医師に義務づけて欲しいくらいです。
ところがです。最新のガイドラインの冒頭に部分に、このような記載があります。
「担当医の処方裁量権を拘束するものではなく、維持紛争や医療訴訟における判断基準を示すものではない」と書かれているのです。
患者さんは、どの医師が専門医で、専門医でないかなんて分かりませんので、要は専門でない医師が、ガイドラインに沿わない診療をしても、ペナルティはないですよと明記されているのです。
ハッキリ言って、ガイドラインに沿わない診療をして、患者さんに迷惑をかけたら罰金くらいのルールにすれば、医師全員が必死に勉強して、全国津々浦々、ぜんそくの患者さんは症状が安定するはずです。
そうなっていないから、平気で“誤診”するし、症状も安定しないと思うのです。日本の小児ぜんそく患者が減らないことにも、無関係ではないと考えています。何のためのガイドラインかと思ってしまいます。
こんな理不尽さがまかり通る医者の世界。何か大きなチカラが、ガイドラインにそう明記させているようです。
こんな茶番があることを、患者さんは知るべきだし、変えなければならないと思っています。