小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

読み解く
2021年01月25日 更新

少し前に日本の第一人者の先生の講演がオンラインでありました。

昨年の論文で、全国の食物アレルギー全国モニタリング調査の結果を示されていました。

図は、年齢分布です。いきなりですが、食物アレルギーの有病率は判定しにくいと思います。

例えば、親御さんに「お子さんは食物アレルギーがありますか?」と質問して、「はい」と答えても、実は違ったりすることもあります。食べて、口もとが赤くなったりしても、それが食物アレルギーが原因であったり、なかったりすることもあると思います。

一方、食物アレルギーがあるのに、まだ食べさせていなくて、あることに気づいていないこともあろうかと思います。つまり、親御さんに聞いても、正しい有病率は判断しにくいように思っています。

そこで、食後にアレルギーと思われる症状が出た患者さんを拾い上げれば、おおよその食物アレルギーの頻度が分かるのではないかと考え、そういった人を対象に調査したのが、今回の結果です(添付のグラフ)。

何年かおきに調査されていますが、前回、前々回と同じでしょうかね。0歳が最多で、1歳、2歳、3歳と徐々に低下しています。

グラフにも記載がありますが、右側の「20s」とは20から29歳までをまとめたものです。それからすると、20歳以上の成人は少ないことに気付きます。でも、いるのはいるんですね。

子どもの食物アレルギーは、卵、乳、小麦が3大アレルゲンとされますが、要は0歳時に食物アレルギーがあるとは気付かずに与えて、症状が出て、医療機関に駆け込んだという割合が多いということなのだろうと思います。

かかりつけ医で卵は除去などと診断され、もしくは保護者の自己診断で、除去扱いになると思います。卵を食べなければ、症状は起こりません。1歳以降、徐々に減少するのは、除去しているから症状は起きないという部分もあるのだろうと思います。

ただ、それだけではこれだけ年齢とともに確実に減っていくのは説明しづらいと思われ、要するに「治っている」人が多いのだろうと思います。

ここで思うのが、除去しているから「治る」のか、除去しているつもりでも、加工品を摂っており、それで「治っている」のかはよく分かりません。多分、どちらもあるのだろうと考えています。

これまでは「治るまで、除去しましょう」などと説明されていましたが、特に重症な患者さんは長らく除去していても、まったく食べられるようにならないケースも経験します。「除去していれば、治る」と言い切れないのだろうと思っています。

私が思うには、早くから食べさせていれば、結構治ります。除去して治るのかもしれないけれど、治らないかもしれない。であれば、尚更早期から「食べさせる」戦略をとり、早いうちから体に慣れさせる、食べさせ慣れることをすべきだと考えています。

ただ、0歳で1500人以上が食物アレルギー症状で医療機関に駆け込んでいることになります。これを減らすにはどうしたらいいか?。

多分、ほとんどが“湿疹”があるはずです。“湿疹”から食べ物の刺激が入り、食物アレルギーになっていくからです。

当院では、幸い卵や小麦を摂り始めるより前に、“湿疹”で受診される乳児が多く、食物アレルギーが疑われれば、負荷試験を行っています。つまり、発症を未然に防いでいるつもりです。

敢えて言えば、特にグラフの乳幼児が早期から当院に全員かかっていれば、かなり異なったグラフになると思っています。