小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

到達できない
2021年02月01日 更新

先日、ネットで調べものをしていた時のことです。

以前、一緒に働いたことのある小児科医が、県外で開業していることを知りました。

開業医を目指すか、勤務医で通すかは各人によって異なります。開業すれば、経営者となり、スタッフの生活も支えていかないといけません。まあ、その先生の生き方ですので、地域の子どものために頑張っていただければと思っています。

その先生は、確か新生児が専門分野なので、ちょっと気がかりがありました。よく開業した先生に聞くと、「アレルギーで困っている人がこんなに多いとは」と言います。アレルギーが専門でないと、困ることは結構あるようです。

その先生のコメントに、専門医の診療が必要だと判断したら耳鼻科や皮膚科に紹介しますと書かれていました。まあ、そうでしょう。

皮膚に関して言えば、小児科医はステロイド軟膏の使い方が上手でないことが多いので、アトピー性皮膚炎も紹介の対象になるはずです。

私の経験上、アトピー性皮膚炎の湿疹は、医師が勝手に「治りづらいもの」と判断し、「誰が診ても同じ」と思われることが多いように感じます。

つまり、小児科医が抱え込んでしまい、のらりくらりと“治療”されていることも少なくないようです。仮に皮膚科に紹介されたとしても、あくまで私の求める水準でということになりますが、キチンとアトピー性皮膚炎の治療を責任を持って行ってくれる皮膚科は、ほとんどないように感じています。

小児科医は、皮膚科に任せたのだから、大丈夫と思うのでしょうし、皮膚科も「こんなもの」という感じで、私の求める基準に達しない“治療”を繰り返していることが多いように思います。小児科、皮膚科にかかっても、アトピー性皮膚炎の診断すらなされていないこともかなりあります。

紹介される「前」や、滅多にないようですが、紹介された「後」でも、適切に治療されていないことが多い病気のひとつがアトピー性皮膚炎だろうと感じています。

結局、保護者が「皮膚症状がよくならない」、「もっといい治療があるのでは?」と不満に思わないと、なかなか専門的な医療の到達できません。かわいそうな状況にあるのは、患者であるお子さんということになります。

医療は、様々な病気で「早期発見、早期治療」へと舵が切られていますが、アレルギーも間違いなくそうであるにも関わらず、こんな感じでいくことが多いようです。

結果的に、アトピー性皮膚炎は(私の求めるレベルで)適切に治療されていることは、非常に少ないという残念な状態になっていることが多いようです。