小児科 すこやかアレルギークリニック

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アトピー治療の変遷
2021年02月04日 更新

昨日は、食物アレルギーの治療の変遷について触れました。

流行り廃りがあり、目まぐるしく変わっています。ぜんそく治療についてはどうでしょうか?。

ぜんそくは軽症と、重症では治療法が異なります。軽症ならば、オノンやシングレアといった内服薬を用います。重症化してくると、フルタイドなどの吸入ステロイドを使います。

さらに重いと、長時間作用型の気管支拡張薬を混ぜた吸入ステロイド薬を使うようになります。よく使われるこのタイプの薬剤は「アドエア」といいます。

これは10年以上前に発売になった吸入薬です。当院が開業した14年前からあるため、食物アレルギーとは異なり、それほど大きな変化はないようです。食物アレルギーの治療が変わりすぎるのでしょう。

アトピー性皮膚炎の場合は、どうでしょうか?。

専門でない医師だとずーっと変わっていないと思われます。ステロイド軟膏を薄く塗って、よくなったら塗るのをやめて、また悪化したら再開するというものです。

この10年くらいで頭角を現すといいますか、治療法が工夫されてきました。プロアクティブ療法と言います。

簡単に言ってしまえば、ステロイド軟膏をガッツリ塗り続け、皮膚をツルツルにして、ゆっくり減量していく方法です。

以前は、こういう塗布法はやっていなかったのですが、逆にアトピーの湿疹をやっつけるためには、ガンガン押していくしかないと思われます。

多くの医師が、今でもそうですが、ステロイドの副作用におっかなびっくり治療しているのだろうと思いますが、この方法ではアトピー性皮膚炎の勢いは止められないと思っています。

アトピー性皮膚炎の治療は、ようやく本格的な治療が行われるようになってきたという感じでしょうか?。ゆっくりでも、確実に広まっていくべき治療だと考えています。