先日、市外から初診された1歳児がいました。
“湿疹”があり、皮膚科や小児科を受診してもよくならないということで、3番目の医療機関として当院を受診されました。
一見してアトピー性皮膚炎であり、おくすり手帳を見てみると、明らかな治療不足でした。「そんな治療じゃよくなるはずない」というくらいでした。
この患者さん、1年も“誤診”されていました。適確に診断もされず、治療も過小で、この1年の間でこじれてしまっています。その分、治療は大変なのです。
話を聞けば、夜も皮膚を痒がり、夜泣きもひどかったそうです。そして当院に来て、先日から1年遅れで、適切な治療が始まりました。
数日前に、その後の経過を診せてもらいに再診していただきました。今日のタイトルにもあるように、夜泣きが止まったのだそうです。
それはかわいそうなことをしました。だって1歳の赤ちゃんが皮膚が痒くて眠れなかったんですよ。
アトピー性皮膚炎の誤診は本当によく見かけます。キチンと診断されて、治療されているケースをみることはほとんどありません。まあ確かに、適確に治療されていれば、当院を受診する必要はないのですが…。
ただ、新潟県の様子を見ると、そういう恵まれた患者さんは極めて少なさそうです。いや、新潟県に限らず、全国的にも大して変わりはないと思います。
そう考えると、夜泣きが止まらず、母子ともに寝不足って感じの患者さんもかなりいそうです。
それを「仕方のないこと」、「治るまで待つしかないこと」と諦めている、もしくは医者によって諦めさせられている患者さんは少なくなさそうです。
年長児で、経過が長いと、皮膚症状を落ち着かせるのは大変だったりしますが、赤ちゃんであれば、そこまで大変ではないと思っています。
差し当たり、新潟県の夜泣きの赤ちゃんを減らしたい。そう思っています。