先日の「報道特集」という番組で食物アレルギーの経口免疫療法についてやっていました。
当時10歳くらいの重症な牛乳アレルギーのお子さんが、経口免疫療法に取り組み、現在20歳過ぎの大学生になっていました。その10年間の親子の食物アレルギーとの戦いを描いていました。
現在、200mlあまりを飲んでいるようです。それだけ飲んでいるのなら、治ってしまったのか?。
食物アレルギーは、継続的に摂取するのを一時中止して、また摂らせてみると、悪化してしまうことがあります。多分、治ってはいないけれど、この患者さんは日常生活はほぼ普通に送られているようです。
確かにここまで重症化してしまうと、治すのは至難の業だと思います。私が提案したいのは、その前の対応です。
赤ちゃんの時の写真も出ていましたが、アトピー性皮膚炎があるようです。重症なアトピー性皮膚炎があると、重症な食物アレルギーが作られやすいのです。
0歳の早い時点で、もし現代にタイムスリップでいて、当院にかかっていたら、その後の経過は変わっていたと思っています。アトピー性皮膚炎の治療と、0歳から負荷試験を繰り返し、積極的に摂らせる努力をしたはずです。
多分、決死の覚悟で経口免疫療法に挑まなくても、治りやすかったのだろうと思っています。そうです。やはり病気は早期発見、早期治療に限るのです。
ただ、治療のタイミングを逃してしまえば、今回の報道のような対応は、選択肢として残ります。
多くの食物アレルギーを心配する乳児を持つ親御さんに、早期発見、早期治療の大切さを知っていただきたい。そう思っています。