小児科 すこやかアレルギークリニック

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時代を作る
2021年02月22日 更新

時々書いていることですが、食物アレルギーは現在、過渡期にあります。

私が医者になった頃は、可能性があれば、何でも除去という時代でした。しばらくして、RASTスコアが高くても食べられることもあるので、「数値だけ見てむやみに除去しないように」という考え方に転じてきています。

現在は、「必要最小限の除去」が推奨されており、積極的に負荷試験を行い、食べられる範囲を設定し、日頃から食べさせるという方向性が示されてます。

私は、20年前にアレルギーの専門病院で勉強させていただき、負荷試験を実施してきました。加工品をなるべく食べさせるという先見の明のあった恩師のお陰で、時代を先取ってきたつもりです。

あと半年ほどで開院14年になりますが、開業当時からアレルギーの数値が高かろうが、加工品を食べさせる努力をしてきました。

特に卵、乳、小麦など頻度の高い、除去しづらいアレルゲンに関しては、数値がだけ見て「除去しなさい」とは言っていないはずです。当時は、少しでも食べられ、喜ぶ親御さん、患者さんの顔を見るのがうれしくて、その一心で食べさせる努力をしてきました。

今では、それが正しかったとお墨付きをもらったように感じており、新たに受診してくださった患者さんに自信を持って、負荷試験を行っています。

格好つける訳ではないですが、自分の信念に沿って、以前から「必要最小限の除去」を実践しており、少なくとも当院の患者さんについては、時代を作ってきた自負があります。

最近では、食物アレルギーにとって除去が悪いものではないかとさえ感じており、なるべく早く食べさせ、身体的にも、気持ちの上でも食べ慣れさせることがベストだろうとさえ感じています。

今後も当院の患者さんのために、時代を作っていく必要があると考えています。