最近、食物アレルギーの診断書の記載を求められることが多くなっています。
専門医でなければ、負荷試験はやっていませんので、毎年「除去」と書くだけなのでしょうが、当院の場合、かなりこだわっています。「治ったから、今回から診断書は提出しなくてもいいよ」なんて取り下げることもあります。
時々書いていますが、卵も乳も小麦も低年齢から食べさせていくと、大抵治ってしまうように感じています。
毎日のように負荷試験を行っており、卵はもっとも頻度が高いので、自ずと卵の負荷試験は多くなります。
当院は段階的に卵の負荷試験を行っていますが、ほとんどのケースで順調に進んでいき、あっという間にクリアしてしまいます。
そこで感じているのは、日頃から食べている人は、食べられないことはまずないということ。まるで、食べているから治るのであって、治らない人は食べていないから、という感じです。
ごくごく一部の患者さんは、病気のせいで食べられないのか、気持ちの上で怖がって食べないのか、判然としない部分があるのですが、とにかく日頃から食べている人はじゃんじゃん前に進んでいきます。
いずれにしても、抗体価が高いから、食べさせようともせずに漫然と除去するのは、意味のあることとは思えません。
かと言って、「家で少しずつ食べさせなさい」なんて言うズルい医師も増えてきました。どれくらい食べていいかも分からないまま、自宅で食べさせるのは危険が伴います。
専門医が責任を持って食べられる量を設定し、積極的に食べさせていくことが、食物アレルギーを治す重要なポイントであると考えています。