昨日まで「一難去って」という話をしていました。
新たに“一難”に遭遇するも、それにもめげず見事に「第一歩」を踏み出しています。
そう、食物アレルギーは、前向きに「第一歩」を進めることがとても大事です。
食物アレルギーの講演をする時に、ここ2、3年「消化管アレルギー」の話をするようにしています。その際に、ある幼児のエピソードを披露することが多くなっています。
そのお子さんは、ソバを食べると2、3時間後に吐くということを繰り返していました。親御さんは食物アレルギーを疑い、近くの小児科を受診するのですが、ソバの検査は陰性でもあり、胃腸炎という診断でした。
納得がいかず、市外から当院を受診されています。これはソバによる消化管アレルギーという病気です。普通の食物アレルギーとはメカニズムが異なるので、検査が陰性なのは珍しくありません。
まだまだアレルギーが専門でない小児科医への浸透度が低いようで、消化管アレルギーを診断できない医師はかなりいます。
それから4、5年が経ち、負荷試験に来られたのです。普通の食物アレルギーであれば、抗体価が下がることで食物アレルギーの程度が評価できたりしますが、消化管アレルギーではもともとが陰性なので、何ら指標がありません。
頃合いを見て、負荷試験をやるしかないと考えています。それで受診してくださったのです。(つづく)