先日も遠方から“湿疹”の患者さんが受診されました。
「乳児湿疹」などと診断されていましたが、アトピー性皮膚炎でした。多くの小児科医、皮膚科医がこういうことをしています。
ひどい“湿疹”でないと、アトピー性皮膚炎と診断できないと考えているのでしょう。しかし、日本皮膚科学会の診断基準でも湿疹の軽い、ひどいは問わないと言っています。つまり、軽めの“湿疹”であっても、基準を満たせばアトピー性皮膚炎と診断すべきなのです。
多くの医師にとって、ひどいものしかアトピー性皮膚炎と診断できないという考えが染みついているのでしょう。
特に小児科医はアトピー性皮膚炎に詳しい医師が少ないため、先輩医師からそう教え込まれ、それが脈々と受け継がれているものと思われます。
軽い“湿疹”に見えて、治療してみると、なかなか症状を抑えづらかったりします。それは慢性の病気だからです。
日頃から“湿疹”にこだわって診療していると、結構軽い“湿疹”であっても、食物アレルギーにつながることが多いことを実感しています。
素早く“湿疹”を消し去らないといけないのに、中途半端な“治療”と言えないような行為が繰り返されることが多いようです。
その“湿疹”がアトピー性皮膚炎であり、食物アレルギーに直結するため、最初からガッツリと治療していく必要が極めて高いと考えます。
私にとって学会発表はちょっとストレスだったりしますが(汗)、多くの医師にそのことを認識してもらうために、主張していくしかないと思っています。