現在、日本小児科学会がオンラインで開催されています。
私も発表していますが、録音したものを提出しており、会場の京都まで行かずに済んでいます。臨場感はないですが、便利と言えば便利です。
この学会は、小児科医に関するすべての項目が対象なので、アレルギーだけでなく、全領域での発表があります。ただ、ついついアレルギーについて注目してしまいます。
私は、ある先生の発表に興味を引かれました。食物アレルギーの発症に関して、環境の影響を受けるというものです。
以前から卵を食べている家では、キッチンだけでなく、寝室でも卵の成分が埃の中から検出できるという研究結果は把握していました。それはわずかな量ではありますが、食物アレルギーを発症させるには十分なのだそうです。
これは、例えばピーナッツやソバなども同様だと考えられているようです。父親だけがピーナッツを食べるという家庭では、父がピーナッツを控えれば、家庭内にピーナッツというアレルゲンが持ち込まれないため、発症を免れることができるかもしれないというものでした。
確かに食物アレルギーは、ほとんどが経皮感作で起こると感じており、ピーナッツアレルギーを発症するかしないかは、どういう差があるのだろうと思っていました。そういうことであれば、合点がいきます。
ただ、こういうケースで、「ピーナッツはよく食べますか?」と聞いても、「そうではない」という返事が返ってくることもあります。やっぱり少しは食べているということなのでしょうか?。
逆に、家族がよく食べるものは、赤ちゃんにも早期から食べさせていくことがいいようです。個人的には、事前にアレルギー採血をした方が間違いなかろうと考えています。
食物アレルギーの発症について、結構解明されてきたように感じています。