先日、食物アレルギーの第一人者の書かれた総説的な文章を読みました。
私はしがない開業医ではありますが、食物アレルギーにはこだわって診療してきたつもりです。
14年前の開院当初から、特に卵、乳、小麦は極力完全除去にはしてきませんでした。加工品などを用いて、とにかく何かしら食べさせる努力をしてきました。
親御さん達も、少しは食べられることが分かって、とても喜んでくれました。やはり、完全除去というのは、親御さんにとって相当に重荷のようで、ほんのちょっと食べられることが分かっただけでも、うれしそうな表情を見せてくれたものです。
そういうことを日常的に繰り返しているうちに、少量でも食べさせるというノウハウが身についていったように思います。
逆に、低年齢のうちは、食物アレルギーが“寝ぼけて”いて、少しでも食べさせることで、どんどん食べられるようになることも分かったように感じています。食べさせるタイミングも、以前は1歳以降から負荷試験を行っていましたが、少し前から0歳から食べさせた方が有利であることも認識するに至ります。
冒頭の総説の文章を読んで、少量が摂れないとまだ完全除去にするんだと感じました。専門医はみな完全除去にしないように努力していると思いますが、もっと減らしていくべきなんだろうと思っています。