小児科 すこやかアレルギークリニック

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少しイライラ
2021年05月24日 更新

コロナ禍で、小児科への受診抑制がまだ残っているのだろうと思います。

そんな中、連日新規に受診してくださる患者さんが多く、感謝しています。

だいたい、“湿疹”に関するものか、食物アレルギーが多いように感じています。要は、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーという話なのですが、食物アレルギーの患者さんには、毎回アトピー性皮膚炎の話をしています。

アトピー性皮膚炎の湿疹から経皮感作を起こして、食物アレルギーを起こすという毎度の話になってしまいますが、共通しているのは、アトピー性皮膚炎なのです。

ところが、小児科、皮膚科でアトピー性皮膚炎と診断されていることは、まずありません。示し合わせたかのように、“乳児湿疹”と診断されています。

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の診断基準をみると、「典型的湿疹の存在」と「かゆみ」、「乳児なら2か月以上の経過」の3つが必要とされいます。

周囲のドクターの診断をみていると、「まだアトピーとは診断できない」などと言われることをみると、乳児期早期の湿疹は「2か月以上経っていない」ことが理由なのかもしれません。

しかし、明らかに2か月以上経っているのに、そう診断されていないことも多々あります。「この程度の湿疹は、アトピーとは診断しないだろう」と勝手にそう考えている節があります。

ちなみに、日本皮膚科学会の診断基準には、湿疹の程度は問わないと記載されています。つまり、「湿疹が存在」し、「かゆみ」を伴い、「2か月経過」していれば、軽めの湿疹であっても、そう診断するというのがルールになっているのです。

多くの赤ちゃんがアトピー性皮膚炎と診断されていないのは、多くの小児科医、皮膚科医がルールをよく理解しておらず、そのルールを守っていないから、というのが「真相」だったりします。

長年、こんなことが続けれられており、いつも言っているように、過小診断、過小治療により、食物アレルギーも悪化するし、アトピー性皮膚炎も適切に治療されていない訳です。

当院でそう診断されても、前医にかかった際、気を害さないようにそんなことは言わないので、より一層“誤診”が繰り返される悪循環。少々イライラします(汗)。