10日ほど前にピーナッツアレルギーのお子さんが下の子が受診されました。年齢は1歳半ほどです。
食物アレルギーでない子の下の子がなぜ?と思うでしょうが、母には「同じ轍は踏むまい」という固い決意があったようです。
ちなみに上のお子さんは、ピーナッツを食べてアナフィラキシー を起こし、かかりつけ医からエピペンが処方されています。結構重症であることが分かります。
なぜ下の子が受診したかというと、下の子が同じピーナッツアレルギーだと困るからです。
上の子がピーナッツアレルギーだから、下の子にもピーナッツアレルギーが同じように起こるとは限りません。確率的にはかなり少ないと感じています。
しかし、検査をしてみると、何とピーナッツがクラス2でした。ピーナッツアレルギーがある可能性があります。
通常だと、子どもは3歳からピーナッツを与えましょうということになっています。ピーナッツを誤嚥してしまうと、窒息の恐れがあるからです。
欧米ではピーナッツアレルギーが多く、それにまつわる研究として、乳児からピーナッツ入りのお菓子を食べさせ続けたら、ピーナッツアレルギーを減らすことができたというものがあります。
普通の医者なら、「ピーナッツなんて食べなくたって困らないでしょう?」とか、何の躊躇もなく「ピーナッツは除去」なんて言うのだろうと思います。私は海外の研究結果も踏まえ、1歳半のこのお子さんにピーナッツを少し食べさせる方法を取ろうと思いました。
母の行動力も立派なもので、初診から10日もしないで、下の子をピーナッツの負荷試験に連れてこられました。上の子でご苦労されているので、繰り返しになりますが、「同じ轍は踏むまい」という思いの強さを感じられます。
実は、本当に軽いのですが症状がちょっと出てしまいます。でも軽いので、少量のピーナッツを家でも食べるよう指導ができました。
今後、発症を抑えるよう努力しますが、多分母の思いには応えられるのだろうと考えています。食物アレルギーは親御さんの心掛け次第で、結構予防できるように感じています。
そんな時代になっていることを認識していただければと思っています。