小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

あるとない
2021年05月27日 更新

きっとアトピー性皮膚炎の診断は難しいのだろうと思います。

普段、アトピーの誤診が多いと言っていて、今更何を言うかとお思いかもしれません。最近は病気の細かい見方が進歩してきました。

例えば、アトピー性皮膚炎の湿疹のある部分だけが「異常」で、湿疹のない部分が「正常」つまり、異常が認められない状況かと言えば、そうではないことが分かってきました。細かく分析してみると、湿疹がなくても(ないように見えても)、アトピーの特徴を持っていることが分かってきたのです。

もしかしたら、我々医師は湿疹を見て、「異常だ、病気だ」と言っているだけで、目に見えない変化は平気で見逃しているということなのだろうと思っています。

となると、目に見える湿疹だけを治療しても良くないのかもしれません。そういうこともあって、治療しても症状が落ち着かないという部分もあるのだろうと思うようになりました。

日本の第一人者の先生は、アトピー性皮膚炎があると食物アレルギーになりやすいけれど、湿疹がなくても食物アレルギーを起こすので、皮膚以外にも食物アレルギーに至るルートがあるはずだと言います。

確かに、皮膚だけですと決めつけるのは良くないと思います。ただ、「アトピー性皮膚炎がないのに、食物アレルギーになる」と言えるのでしょうか?。目に見えない変化があるかもしれず、アトピー性皮膚炎がないなんて、なかなか言えるものではないと考えています。

湿疹がまったくないのに、「アトピー性皮膚炎がないとは言い切れない」なんて言ってしまうとキリがないと思いますが、個人的には食物アレルギーは、ほとんどが皮膚から入って起こるものだと考えています。ほとんどの患者さんに“湿疹”の存在を指摘できます。

病気って非常に軽微なものから、超のつくような重症な患者さんもいます。もしかしたら、軽微な病気を診断するのは、困難なのかもしれません。

そう考えると、専門医同士でも考え方が異なるのかもしれません。なかなか難しい問題なのだろうと思っています。